赤外線による建物外壁調査スタート!2022年は検証の年

建物の保守業務を行なっていて、雨漏りなどの不具合が出たときに明確な原因がわからず詳細調査を行うときに高所ですと足場掛けが必要になり、その設置場所や調査コストを考えるとなかなかすぐに調査GOとならない事があり歯痒い思いをする事が多々あります。

そのような経験を踏まえ、地上からの赤外線調査やドローンによる赤外線カメラ調査という分野に期待をしているのですが、実はいつでもどこでも使える訳ではなく万能では無いのです。

2022年は検証の年としました

早々にでも事業として建物の赤外線外壁調査を行いたいのですが、まずは調査検証を行う事としました。
事業として行う以上、自信を持って報告書を提出できる万全の体制としたいですし、私は一級建築施工管理技士・二級建築士・赤外線建物診断師の有資格者として責任があります。

本事業を共同で行う協力会社様のクライアント様よりマンション物件の調査許可を頂き、札幌市内でいくつかの物件にて実施しました。
さまざまなバリエーションで物件を提供頂いたのでありがたい限りです。

この検証では結果としての赤外線外壁診断報告書を作成することにありますが、そのプロセスがきちんと思い通りに進むか?対応方法など以下の項目を主眼に行いました。

・ドローンの飛行計画と関係各所の許可承認
・赤外線カメラの能力、解像度(地上カメラ、ドローンカメラ)
・実際の撮影、測定
・手の届く範囲での打診検査しカメラとの整合性確認
・赤外線カメラデータの解析
・報告書へのまとめ

赤外線画像の解析は知識と対応力が必要

赤外線カメラを使い外壁面の温度差を確認することで、外壁タイルなどの浮きがわかるのですが、この撮影方法にもお作法があります。
赤外線建物診断技能師の講習を受け、試験に合格できるくらいの知識があれば赤外線診断の基本までは身に付きます。

この基本がわかっても、あくまで基本の理論です。
撮影結果が本当に正しいのか?という疑問がやはり残ります。

その為、実際に打診してみて合致するのか自分でやってみるという検証も行いました。
この辺は施工管理での経験が活きてきます。

また今回のカメラ機材は、
・地上赤外線カメラ FLIR T860
・ドローン DJI Matrice300+H20T
・ドローン DJI Mavic2Enterprise advanced

この3種類にて行い、低層部分は主にFLIR T860、中〜上層をドローンという区分けにはなりますが、可能な限り3つのカメラでの撮影結果比較と解析アプリの使用感などで分析と検証を重ねました。

2023年の実務に向けて

実際に業務を行なっている諸先輩の現場見学や解析ノウハウを教えて頂いたりと、地道なトライアンドエラーの積み重ねを行いました。

この記事を執筆しているのは気温も下がった初冬ですので赤外線診断はオフシーズンに入っておりますので、基盤は整いましたので2023の春以降に改めて業務を進めていきたいと考えております。

私の性格上、納得いかないとお客様に提供できない!という所があり、非常に牛歩ではありますが着実に一歩ずつ進みながら結果を出すという方針で行なっております。

赤外線カメラでの調査を行うと、足場をかける箇所を最低限とすることで住民の皆様や近隣への影響、そしてコストと工期の低減を実現でき建物の維持管理が容易になります。

1棟でも多くの建物維持管理に貢献できれば幸いです。


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